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【2026年版】新型コロナにかかるとどうなる?主な症状・受診の目安・陽性後の過ごし方を整理

新型コロナを正しく知る暮らしガイド 病気
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「喉が痛いけれど、これって新型コロナ?」

「熱が出たけれど、インフルエンザなのか普通の風邪なのか分からない」

体調を崩したとき、こう迷うことは今でもあります。

このページを最初に公開したのは2020年2月でした。当時は新型コロナウイルスについて分かっていないことが多く、治療法やワクチン、医療機関への相談方法も現在とは大きく違っていました。

それから状況は大きく変わっています。

現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は5類感染症として扱われ、一般的な医療機関で診療されるようになりました。承認された治療薬もあり、陽性になった後の外出や学校生活についても現在の考え方が示されています。

一方で、今でも難しいことがあります。

それは、症状だけを見て「これは新型コロナだ」「これはただの風邪だ」と判断することです。

新型コロナでは発熱や咳、倦怠感などさまざまな症状が出ますが、こうした症状はインフルエンザや一般的な風邪でもみられます。感染していても症状が出ない人もいます。

ですからこの記事では、「○○の症状があればコロナ」と見分ける方法を紹介するのではありません。

どんな症状があるのか、検査するときは何に注意するのか、どんな場合に医療機関へ相談した方がよいのか、陽性になった後はどう過ごすのか。

2026年現在の公的情報をもとに、「かかったらどうなる?」の先まで順番に整理していきます。

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新型コロナかも?まず知っておきたいこと

発熱や咳が出ると、まず新型コロナを疑う人もいると思います。

ただ、症状を一つ見ただけでは判断できません。

国立健康危機管理研究機構(JIHS)は、新型コロナウイルス感染症について、発熱、咳、倦怠感、味覚・嗅覚障害、下痢など、多様な症状がみられるとしています。

多くは軽症ですが、高齢者や基礎疾患がある人では重症化しやすいことも分かっています。また、感染していても症状が出ない人がいます。

つまり、「典型的なコロナ症状が全部そろう」とは限りません。

発熱・喉の痛み・咳だけでは新型コロナか判断できない

体調を崩したときに気になるのは、症状の名前です。

熱が出た。咳が出る。喉が痛い。体がだるい。

こうした症状から「新型コロナかもしれない」と考えること自体は不自然ではありません。

ただし、一つ一つの症状は新型コロナだけに特有のものではありません。

例えばインフルエンザでも、発熱、全身倦怠感、喉の痛み、鼻水、咳などがみられます。一般的な風邪でも、喉や鼻、咳の症状はよくあります。

反対に、「高熱が出ていないから新型コロナではない」とも言えません。

新型コロナは症状の出方に幅があり、感染していても無症状の場合があります。

ネット上の症状一覧と照らし合わせて病名を決めるのではなく、症状だけでは区別しにくい感染症がいくつもあるという前提を持っておく方が実用的です。

風邪やインフルエンザと症状が重なることがある

特に秋から冬にかけては、新型コロナだけでなくインフルエンザなどの急性呼吸器感染症も流行します。

困るのは、それぞれの症状がきれいに分かれているわけではないことです。

症状・状態 新型コロナ インフルエンザなど他の呼吸器感染症
発熱 みられることがある みられることがある
みられることがある みられることがある
倦怠感 みられることがある インフルエンザなどでもみられる
喉の症状 呼吸器症状の一つとしてみられる場合がある 風邪やインフルエンザでもみられる
症状がない 無症状の感染もある 感染症ごとに状況は異なる

この表は「見分け方」を示すものではありません。

むしろ、症状が重なっているため、症状だけでは病名を決められないことを見るための表です。

新型コロナの病原体診断にはPCRなどの核酸増幅検査や抗原検査が使われます。医療機関では症状だけでなく、経過や接触歴、診察所見なども含めて判断されます。

「症状を見る」だけでなく、その後どう行動するかまで考える

実際に体調を崩したときに知りたいのは、「症状一覧に何個当てはまるか」だけではありません。

  • 自宅で検査するなら、どの検査キットを使えばいいのか
  • 検査が陰性でも症状が続く場合はどうするのか
  • どの程度の症状なら医療機関へ相談した方がいいのか
  • 高齢者や基礎疾患がある場合は判断を変えるべきか
  • 陽性になったら何日外出を控えるのか
  • 家族や仕事、学校はどうすればいいのか

こうした行動まで分かって初めて、「新型コロナにかかるとどうなる?」という疑問への答えになります。

新型コロナにかかると、どんな症状が出る?

新型コロナの症状というと、発熱や咳を思い浮かべる人が多いかもしれません。

実際、厚生労働省は主な症状として発熱、咳、全身倦怠感などを案内しています。

ただ、新型コロナの症状はそれだけではありません。

頭痛、喉の痛み、鼻水、筋肉痛、味覚や嗅覚の変化、下痢などがみられることもあり、症状の組み合わせや強さには幅があります。

「新型コロナなら必ず高熱が出る」「必ず咳が強くなる」といった一つの典型像に当てはめない方がよい感染症です。

発熱・咳・倦怠感など、症状の出方はさまざま

症状の種類 みられることがある症状
全身症状 発熱、悪寒、全身倦怠感、筋肉痛、頭痛など
呼吸器症状 咳、喉の痛み、鼻水・鼻づまり、息切れなど
感覚の変化 嗅覚の低下・異常、味覚の低下・異常など
消化器症状 吐き気、嘔吐、下痢など
その他 結膜炎などがみられることもある

この表の症状が全部そろうわけではありません。

熱と咳が中心になる人もいれば、喉の違和感やだるさが強い人もいます。消化器症状が加わる場合もあります。

症状の出方に幅があるため、「この症状がないから新型コロナではない」と一つずつ除外していく使い方には向きません。

喉の痛み・味覚嗅覚の異常・下痢などが出ることもある

2020年ごろは、味覚や嗅覚の異常が新型コロナの特徴として広く知られるようになりました。

現在も厚生労働省やJIHSの疾患情報には、味覚・嗅覚障害が症状の一つとして掲載されています。

ただし、味やにおいが分かりにくくならなければ新型コロナではない、という意味ではありません。

反対に、味覚や嗅覚の異常があるからといって、それだけで新型コロナと確定できるわけでもありません。

また、新型コロナでは下痢や吐き気など消化器系の症状が出る場合もあります。

「咳がないから違う」「お腹の症状だからコロナではない」と、症状が出ている場所だけで判断しない方がよいでしょう。

感染しても症状が出ない人もいる

新型コロナを分かりにくくしている理由の一つが、感染していても症状が出ない場合があることです。

JIHSは、新型コロナでは無症候性の感染者も存在し、症状がない人も感染源になり得るとしています。

つまり、元気だから感染していないとは限りません。

例えば、同居家族が陽性になったり、感染した人と接触する機会があったりした場合は、自分に症状が出ていなくても体調の変化を見ておく意味があります。

一方で、症状がない人が全員検査をすべきという話でもありません。

検査の必要性やその後の行動は、接触状況や生活環境、周囲に高齢者など重症化リスクの高い人がいるかによっても変わります。

多くは軽症だが、重症化する人もいる

現在の新型コロナについて、JIHSは「多くは軽症」としています。

症状が軽い場合には、特別な治療を行わず経過をみるうちに自然に軽快するケースもあります。

ここだけを読むと、「今はもう普通の風邪と同じなのでは」と感じるかもしれません。

しかし、多くの人が軽症で済むことと、誰にとっても重症化リスクが低いことは同じではありません。

高齢者や一定の基礎疾患がある人などでは、重症化するリスクが高くなります。

状態 考え方
症状が比較的軽い 軽症のまま回復する人も多い。ただし症状の経過を見る
症状が強くなっている 「最初は軽かったから」と判断せず、医療機関への相談を考える
高齢者・基礎疾患がある人など 重症化リスクが異なるため、より早めの医療相談を意識する
明らかな呼吸困難や意識状態の異常など 通常の様子見とは分け、緊急性を考える

風邪・インフルエンザと新型コロナはどう違う?

発熱や咳、喉の痛みが出たとき、「新型コロナなのか、インフルエンザなのか、それとも普通の風邪なのか」を知りたくなると思います。

ところが、この3つは症状がかなり重なります。

インフルエンザでは、高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが比較的急に現れ、咳や鼻水などの呼吸器症状が続くのが典型的です。

新型コロナでも、発熱、咳、倦怠感、喉の症状、頭痛、筋肉痛などが出ることがあります。

一般的な風邪でも、鼻水、喉の痛み、咳などは珍しくありません。

症状の種類だけを見ると重なる部分が多いため、それだけで病名を決めるのは難しいのが実際のところです。

症状には重なる部分が多く、見た目だけでは区別しにくい

感染症 みられることがある症状 特徴として知られていること 注意点
新型コロナ 発熱、咳、喉の痛み、倦怠感、頭痛、筋肉痛、味覚嗅覚の異常、下痢など 症状の幅が広く、無症状の場合もある 症状だけではインフルエンザなどと区別しにくい
インフルエンザ 発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛、鼻水、咳など 比較的急速に高熱や強い全身症状が出るのが典型的 典型像に当てはまらない場合もあり、COVID-19との鑑別は症状だけでは困難
一般的な風邪 鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳など 鼻や喉を中心とした症状が多い 症状の重なりがあり、自己判断だけで病原体を特定できない

これは「この症状ならこの病気」と当てはめる診断表ではありません。

JIHSもインフルエンザについて、症状のみで新型コロナウイルス感染症との鑑別は困難としています。

「喉が痛いだけ」「熱がない」でも新型コロナを否定はできない

検索では、「コロナ 喉だけ」「コロナ 熱なし」といった疑問もよく出てきます。

典型的な症状が分かれば、自分である程度判断できそうに思えるからでしょう。

ただ、新型コロナは症状の出方に幅があります。

発熱がなくても感染している場合がありますし、喉や鼻など比較的軽い症状だけで始まることもあります。

反対に、高熱や強い倦怠感があるからといって、それだけでインフルエンザとも決められません。

味覚や嗅覚の異常も同じです。

新型コロナでみられることがある症状ではありますが、それがなければ新型コロナではない、あるから確定、という使い方はできません。

「症状が出る順番」だけで見分けようとしない

ネットでは、「最初に喉が痛くなればコロナ」「急に熱が出ればインフル」といった見分け方を目にすることがあります。

しかし、症状の出る順番や強さには個人差があります。

典型的な経過は病気を理解する参考にはなりますが、個人の診断ルールとして使うものではありません。

例えばインフルエンザは、突然の高熱や強い全身症状が特徴的とされています。それでも、その経過だけを理由に新型コロナを除外することはできません。

同様に、「鼻水から始まったから普通の風邪」と決めるのも避けた方がよいでしょう。

必要に応じて検査や診察で確認する

症状だけでは区別しにくいため、新型コロナが疑われる場合には検査が判断材料になります。

新型コロナの診断にはPCR検査などの核酸増幅検査、抗原定量検査、抗原定性検査などがあります。

医療機関では検査結果だけを見るわけではありません。

症状の経過や感染者との接触歴などの背景、身体診察、検査所見などを合わせて判断します。

「症状だけ」でも「検査結果だけ」でもなく、必要に応じて複数の情報を合わせて判断するということです。

症状が出たらどうする?自宅検査と抗原検査キットの注意点

新型コロナと風邪、インフルエンザは症状だけでは見分けにくいため、体調に異変を感じたときは検査が一つの判断材料になります。

現在は、症状が重くない場合であれば、自宅で抗原検査キットを使ってセルフチェックする方法があります。

ただし、「検査キットなら何でもいいわけではない」「陰性なら新型コロナではない、とも言い切れない」という2点には注意が必要です。

症状が重くなければ、国が承認した抗原検査キットでセルフチェックできる

厚生労働省は、体調に異変を感じたとき、症状が重くない場合には、自宅で国が承認した抗原検査キットを使って感染しているか確認する方法を案内しています。

抗原定性検査は、比較的短時間で結果を確認できるのが特徴です。

喉が痛い、咳が出る、熱がある、だるさがあるといった場面で、「今どう動くか」を考える材料になります。

ただし、セルフチェックは判断材料の一つです。検査結果だけで自分の病名を確定するものではありません。

「体外診断用医薬品」「第1類医薬品」の表示を確認する

表示 位置づけ 確認ポイント
体外診断用医薬品 国が承認した医療用検査薬 医療用として承認された検査キット
第1類医薬品 国が承認した一般用検査薬(OTC) 一般向けに承認された製品
研究用 国が性能などを確認した診断用検査薬ではない 新型コロナのセルフチェック目的では選ばない

一般の人が自分で購入して使う場合は、厚生労働省が承認した一般用抗原検査キットの一覧を確認できます。

パッケージでは、「第1類医薬品」の表示が一つの目印です。

「研究用」と書かれた検査キットは診断目的に使わない

「研究用」と書かれた商品は、一見すると一般用抗原検査キットとよく似ています。

厚生労働省は、「研究用」と称する検査キットについて、国が性能などを確認した診断用検査薬ではないとして注意を呼びかけています。

「新型コロナの検査キットとして販売されている」ことと、「国が診断用として承認している」ことは同じではありません。

購入時には商品名だけでなく、「第1類医薬品」または「体外診断用医薬品」と表示されているかを確認します。

抗原検査が陽性だった場合は、その後の行動を切り替える

国が承認した抗原検査キットで陽性になった場合は、「いつも通り生活してよい」とは考えません。

現在は一定期間、外出を控えることが推奨されています。

体調が悪化した場合や、重症化リスクが高い人などは、医療機関への相談・受診を検討します。

ただし、陽性者全員が必ずすぐ医療機関へ行くという一律のルールでもありません。症状の強さ、年齢、基礎疾患、妊娠などによって必要な対応は変わります。

抗原検査が陰性でも、新型コロナを完全には否定できない

セルフチェックで陰性になると、「これで新型コロナではない」と考えたくなります。

しかし、抗原検査には、感染していても陰性になる「偽陰性」があります。

検査した時点のウイルス量や検体の採り方などによって、感染していても検出されない場合があります。

検査結果 基本的な考え方
陽性 新型コロナウイルス抗原が検出された。外出を控えるなど、その後の対応へ切り替える
陰性 抗原が検出されなかった。ただし感染を完全には否定できない
判定不能 有効な結果が得られていない。製品の説明に従って対応する

特に症状があるのに陰性だった場合は、「陰性だから普通に出歩いて大丈夫」と短絡的に考えない方がよいでしょう。

陰性でも症状が続く・悪化する場合は医療機関へ相談する

判断するときは、検査結果だけではなく症状の強さや経過も見ます。

  1. 検査結果を確認する
  2. 症状の強さや経過を見る
  3. 年齢や基礎疾患など重症化リスクも確認する
  4. 症状が続く・悪化する場合は医療機関へ相談する

陰性という一つの結果だけで、その後の体調変化を無視しないことが大切です。

流行期は検査キットや常備薬を事前に準備しておく方法もある

実際に発熱したり強くだるくなったりしてから、検査キットを用意するのは大変です。

厚生労働省も、体調を崩す前の備えとして、抗原検査キットや解熱剤などの常備薬をあらかじめ準備することを案内しています。

常備薬については、治療中の病気や服用中の薬がある人、妊娠中の人などでは使える薬が異なることがあります。必要なら医師や薬剤師に相談してください。

病院へ相談した方がいいのはどんなとき?

抗原検査をしたあと、次に迷いやすいのが「病院へ行った方がいいのか」という判断です。

新型コロナは多くの人が軽症で経過しますが、症状の強さや年齢、基礎疾患などによって必要な対応は変わります。

「自宅で体調を見る段階」「医療機関へ相談する段階」「救急要請を考える段階」を分けて考えると整理しやすくなります。

状態 基本的な考え方
症状が軽く、体調が大きく悪化していない セルフチェックや自宅での体調観察をしながら経過を見る選択肢がある
症状が強い・悪化している、または重症化リスクがある 身近な医療機関へ相談する
急な呼吸困難や意識障害など、明らかに緊急性が高い 通常の受診予約を待たず、119番など救急要請を考える

症状が強い・悪化している場合は医療機関へ相談する

自宅で抗原検査ができるようになったからといって、どんな症状でも自宅だけで対応すればよいわけではありません。

熱や咳などが続いて体調が悪くなっている、水分が十分に取れない、普段の生活が難しいほどつらいといった場合は、検査結果にかかわらず医療機関への相談を考えます。

特に、最初は軽かったのに徐々に悪化している場合は、「一度陰性だったから大丈夫」「最初は軽症だったから大丈夫」と決めつけない方がよいでしょう。

新型コロナ以外の病気である可能性もあります。

急な息切れ・呼吸困難や意識の異常などは緊急性を考える

通常の「受診するか迷う」という段階を超えて、救急要請を考える症状もあります。

厚生労働省の救急案内では、成人について、急な息切れ・呼吸困難、顔色が明らかに悪い、意識障害などを、迷わず救急車を呼ぶ症状の例として挙げています。

  • 急に息が苦しくなった、呼吸ができない・かなり苦しい
  • 呼びかけへの反応がおかしい、意識がはっきりしない
  • 顔色が明らかに悪い
  • 普通に話すことが難しいほど状態が悪い

こうした状態は新型コロナだけに特有のものではありません。

「コロナかどうか」を先に確定しようとせず、緊急性の高い体調変化として対応することが大切です。

救急車を呼ぶべきか迷う場合、実施地域では救急安心センター事業「#7119」で相談できます。

高齢者・基礎疾患がある人は重症化リスクに注意し、妊婦・子どもも早めに受診先を確認する

同じ程度の発熱や咳でも、受診判断をまったく同じにしない方がよい人がいます。

高齢者や基礎疾患がある人では重症化リスクが高くなるため、症状がある場合は早めの相談を意識します。

また、妊娠中の人や子どもは診療上の配慮が必要になることがあります。妊婦はかかりつけの産科などへ、子どもはかかりつけ小児科などへ相談します。

基礎疾患には、糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などのほか、透析治療や免疫抑制状態などが関係する場合があります。

「若く健康な人なら自宅で様子を見ることがある」という話を、そのまま全員へ当てはめないことが大切です。

2020年当時のような「まず保健所」という流れではない

このページを最初に公開した2020年ごろは、新型コロナが疑われる場合に保健所や専用相談窓口を通して受診先を調整する仕組みが中心でした。

現在は医療提供体制が変わっています。

2024年4月以降、新型コロナは広く一般的な医療機関で診療する通常の医療提供体制へ移行しています。

発熱などの症状があり受診を希望するときは、かかりつけ医など地域の身近な医療機関へ事前に電話等で相談するのが基本です。

医療機関へ行く前に電話等で相談する

発熱や咳がある場合、緊急時を除き、受診前に医療機関へ電話等で相談するとスムーズです。

伝えておきたいこと
主な症状 発熱、咳、喉の痛み、息苦しさなど
いつから症状があるか 昨夜から、2日前からなど
抗原検査の結果 陽性、陰性、未実施
年齢・基礎疾患 糖尿病、心疾患、呼吸器疾患など
妊娠 妊娠中であること
普段飲んでいる薬 処方薬など

相談先が分からない場合は地域の受診・相談窓口を確認する

かかりつけ医がない、どこへ相談すればよいか分からない場合は、地域の受診・相談窓口を確認します。

名称や受付方法は自治体によって異なるため、住んでいる都道府県や市区町村の最新情報を確認してください。

「何度なら受診」「何日続いたら受診」と一つの数字だけで決めない

以前の新型コロナ情報では、「症状が○日続いたら相談」といった目安が強く示されていた時期がありました。

現在の記事で、その古い基準をそのまま使うのは適切ではありません。

症状の強さや悪化の仕方、年齢、基礎疾患などで判断は変わります。

症状が強い、悪化している、重症化リスクがある、緊急性の高い症状が出ている。

こうした状況に応じて相談先を選びます。

新型コロナには治療薬がある|2020年当時との大きな違い

このページを最初に公開した2020年2月当時は、新型コロナに対して「治療薬はまだない」という説明が一般的でした。

現在は状況が違います。

日本では、新型コロナウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬が複数承認され、診療で使われています。

「新型コロナには治療薬がない」という2020年当時の情報は、現在には当てはまりません。

一方で、「陽性になれば誰でも抗ウイルス薬を飲む」というわけでもありません。

年齢、重症化リスク、基礎疾患、症状の経過、服用中の薬などを確認したうえで、治療薬を使う必要があるかを医師が判断します。

現在は承認された抗ウイルス薬が複数ある

一般名 代表的な商品名 剤形
モルヌピラビル ラゲブリオ 経口薬
ニルマトレルビル/リトナビル パキロビッド 経口薬
エンシトレルビル フマル酸 ゾコーバ 経口薬
レムデシビル ベクルリー 点滴静注

重症度によっては抗炎症薬など別の治療が必要になる場合もあります。

一般の読者が「どの薬を選ぶか」を自分で決める必要はありません。

知っておきたいのは、新型コロナには現在治療の選択肢があり、その適応は患者ごとに異なるということです。

治療薬には内服薬と点滴薬がある

抗ウイルス薬には、経口薬と医療機関で点滴する薬があります。

ただし、薬ごとに目的や対象が異なります。

患者の年齢や基礎疾患、腎機能・肝機能、妊娠の有無、ほかに飲んでいる薬なども治療選択に関係します。

治療薬は誰でも同じように使うわけではない

新型コロナに感染した人が全員、経口抗ウイルス薬の投与を受けるわけではありません。

重症化予防を目的とした治療では、年齢、肥満、基礎疾患、免疫抑制状態、基礎疾患の状態、ワクチン接種状況、症状や経過などが判断材料になります。

「高齢だから必ずこの薬」「若いから薬は不要」と一つの条件だけで決めるものでもありません。

薬によって使える時期が違う

新型コロナの抗ウイルス薬には、発症してから使い始めるまでの時期が限られているものがあります。

服用開始時期
モルヌピラビル(ラゲブリオ) 発症から5日以内
ニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッド) 発症から5日以内
エンシトレルビル(ゾコーバ) 発症から3日以内

だからといって、症状が出たら自分で薬を指定して処方を求めるという意味ではありません。

治療薬を使う可能性がある人ほど、何日も自己判断で待ち続けると治療選択肢に影響することがあるため、重症化リスクがある人などは早めの相談に意味があります。

飲み合わせに注意が必要な薬もある

抗ウイルス薬では、普段飲んでいる薬との組み合わせも重要です。

ニルマトレルビル/リトナビルとエンシトレルビルには、併用できない薬や相互作用へ注意が必要な薬があります。

医療機関へ相談するときは、処方薬だけでなく市販薬やサプリメントなども含め、何を使用しているか伝えられるようにしておくと確認しやすくなります。

お薬手帳がある場合は受診時に持参するとよいでしょう。

妊娠中など、使用できない薬もある

妊娠中の人は、特に自己判断で薬を選ばないようにします。

モルヌピラビルとエンシトレルビルは、妊婦または妊娠している可能性がある人には使用できません。

妊娠の可能性がある場合は、診察時に必ず医師へ伝えてください。

授乳中や妊娠を希望している場合も、薬ごとに注意事項が異なります。

「薬がある」ことと「自分に必要」は別に考える

よくある考え方 現在の考え方
陽性なら全員が抗ウイルス薬を飲む 必要性は重症化リスクや症状などを見て判断する
どの薬でも同じ 対象・開始時期・禁忌・相互作用などが異なる
薬の名前を決めて病院へ行く 服用中の薬や基礎疾患などを伝え、医師と治療を決める
数日待ってから相談しても同じ 薬によって使用開始時期が限られるため、早めの相談が意味を持つことがある

ネットで「どの薬が一番効くか」を選ぶよりも、自分に重症化リスクがあるか、症状がいつ始まったか、何の薬を普段飲んでいるかを医師へ正確に伝える方が重要です。

新型コロナ陽性になったらどう過ごす?

抗原検査や医療機関で新型コロナ陽性と分かったあと、迷いやすいのが「何日くらい外出を控えればいいのか」です。

ここは2020年当時から大きく変わりました。

現在、新型コロナは5類感染症です。以前のように、感染症法に基づいて陽性者へ一律の外出自粛を求める仕組みではありません。

その一方で、感染させるリスクが急になくなるわけでもありません。

厚生労働省は、発症日を0日目として5日間は外出を控えることを推奨しています。

5日目にも症状が続いている場合は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどが軽快してから24時間程度が経過するまで外出を控えることが推奨されています。

「法律上の隔離ではない」と「感染対策をしなくてよい」は別の話です。

発症日を0日目として5日間は外出を控えることが推奨されている

有症状の場合は、症状が出始めた日を「0日目」として数えます。

例えば月曜日に症状が出始めた場合、月曜日が0日目です。

数え方 考え方
月曜日 0日目(発症日) 外出を控える期間の起点
火曜日 1日目 外出を控える
水曜日 2日目 外出を控える
木曜日 3日目 外出を控える
金曜日 4日目 外出を控える
土曜日 5日目 この日までを目安に外出を控え、症状の状態も確認する
日曜日 6日目 5日間を経過した後。症状軽快の条件を満たしているか確認する

「発症した翌日が0日目」ではなく、症状が出たその日が0日目です。

5日目も症状が続く場合は、症状軽快後24時間程度まで控える

「5日たてば症状が残っていても外出してよい」という意味ではありません。

5日目になっても症状が続いている場合は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどの症状が軽快してから、さらに24時間程度が経過するまで外出を控えることが推奨されています。

「5日」という日数と「症状が軽快しているか」の両方を見るのが現在の考え方です。

症状が重い場合や回復せず悪化している場合は、日数を数えるより医療機関への相談を優先します。

「症状軽快」は完全に無症状という意味ではない

厚生労働省は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどの症状が軽快した状態を目安として示しています。

咳が一度でも出たら24時間を最初から数え直す、といった独自の厳密ルールではありません。

反対に、まだ明らかに熱がある、喉の痛みが強い、体調がかなり悪いという状態で、「5日たったから大丈夫」と考えるのも違います。

無症状の場合は検体採取日を0日目として考える

無症状で検査を受けて陽性になった場合は発症日がありません。

その場合は、陽性判定につながった検体を採取した日を0日目として数えます。

状態 0日目
症状がある 症状が出始めた日
症状がない 陽性となった検査の検体採取日

5日を過ぎても、発症後10日間は周囲への配慮を続ける

5日間が経過したからといって、その瞬間から他人へ感染させる可能性がゼロになるわけではありません。

厚生労働省は、発症後10日間が経過するまではウイルスを排出している可能性があるとして、周囲へうつさないための配慮を勧めています。

  • 不織布マスクを着用する
  • 高齢者など重症化リスクが高い人との接触を控える
  • 手洗いなどの手指衛生を意識する
  • 換気など基本的な感染対策を続ける

高齢の家族へ会いに行く、医療機関や高齢者施設を訪れるといった場面では、「5日を過ぎた」という一点だけで判断しない方がよいでしょう。

10日を過ぎても咳やくしゃみが続く場合は咳エチケットを

発症後10日を過ぎても、咳やくしゃみなどが残る人はいます。

このような場合は、マスク着用などの咳エチケットを心がけます。

これは「10日を過ぎても新型コロナの感染性がずっと続く」という意味ではありません。

新型コロナの発症後しばらくは、周囲へうつさないために不織布マスクを使う場面もあります。

ただ、マスクは「99%カット」といった数字だけで選べばよいわけではありません。

顔へのフィットや長時間使ったときの負担も含めて選びたい方は、インフルエンザ・花粉症シーズンのマスクの選び方|耳が痛くなりにくい、長時間使いやすいマスクは?も参考にしてください。

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やむを得ず外出する場合も、何も気にしなくてよいわけではない

5類移行後は、外出を控えるかどうかは個人の判断に委ねられています。

それでも、推奨期間中にやむを得ず外出する場合は、体調を確認したうえで、マスク着用など周囲への配慮を行います。

時期 考え方
発症日〜5日目まで 外出を控えることが推奨される
5日目にも症状が続く 症状軽快後24時間程度まで外出を控える
外出再開後〜発症後10日間 不織布マスク、高リスク者との接触回避など周囲への配慮を続ける
10日を過ぎても咳などがある 咳エチケットを意識する

仕事・学校・家族への対応はどうする?

本人が外出を控える目安が分かっても、実生活では別の疑問が出てきます。

「会社は何日休めばいい?」

「子どもはいつから学校へ戻れる?」

「家族が陽性になったら、自分も仕事を休まなければいけない?」

この3つは似ていますが、現在の扱いは同じではありません。

場面 現在の基本的な扱い
陽性になった本人の仕事 法律で全国一律の出勤停止期間が定められているわけではない。厚労省の外出を控える推奨期間と勤務先のルールを確認する
陽性になった児童・生徒の学校 学校保健安全法施行規則に基づく出席停止期間がある
同居家族が陽性になった人 濃厚接触者として法律に基づく一律の外出自粛はない。特に5日間は体調に注意し、7日目までは発症に注意する

会社員に全国一律の「何日休む」という出勤停止ルールはない

5類感染症へ移行した現在、感染した会社員について、感染症法に基づく全国一律の出勤停止期間が設けられているわけではありません。

一方、本人には発症日を0日目として5日間は外出を控えることが推奨されています。

厚生労働省の外出を控える目安と、勤務先の就業規則や社内ルールの両方を確認するのが基本です。

会社によっては在宅勤務へ切り替えられる場合もありますし、高齢者や基礎疾患がある人と接する業種では、より慎重な対応を求められることもあります。

職場復帰のための陰性証明書・治癒証明書は原則不要

職場へ戻るために、「陰性になった証明を病院でもらわなければいけない」と考える人もいるかもしれません。

厚生労働省は、新型コロナなどからの職場復帰にあたり、治癒証明書や陰性証明書を求めることは望ましくなく、不要としています。

復帰時に勤務先独自の手続きがある場合は、社内ルールを確認してください。

学校は「発症後5日かつ症状軽快後1日」が出席停止期間

学校については会社とは扱いが違います。

学校保健安全法施行規則では、新型コロナウイルス感染症について、「発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」が出席停止期間とされています。

学校の場合は「5日目になったら登校できる」という意味ではありません。

発症した後5日を経過していることに加え、症状が軽快した後1日を経過していることの両方が必要です。

条件 内容
発症後の日数 発症した後5日を経過している
症状 症状が軽快した後1日を経過している

無症状で陽性だった場合の学校は検体採取日が基準

症状がない状態で陽性になった場合は、陽性となった検査の検体を採取した日から5日を経過するまでが基準になります。

「結果を受け取った日」ではなく検体採取日が基準になる点に注意してください。

家族が陽性でも、法律上の「濃厚接触者」として一律の外出自粛はない

2020年から2022年ごろまでの新型コロナ対策を覚えている人は、「家族が陽性なら自分も濃厚接触者として外出できない」と考えるかもしれません。

現在は違います。

2023年5月8日の5類移行後、一般に保健所が新型コロナ患者の濃厚接触者を特定する仕組みはなくなり、濃厚接触者として法律に基づく外出自粛を求められることもなくなりました。

ただし、「行動制限がない」ことと「感染する可能性がない」ことは別です。

同居家族は、感染した人の発症後5日間を中心に体調を見る

家族や同居者が新型コロナになった場合、感染した人の発症日を0日目として、特に5日間は自分の体調に注意します。

さらに、7日目までは発症する可能性があります。

期間 同居家族が意識したいこと
感染者の発症日〜5日間 特に自分の体調変化に注意する
6〜7日目 引き続き発症する可能性があることを意識する
症状が出た場合 自宅検査や医療機関への相談など、本人の症状に応じた対応へ切り替える

同居家族だからといって、自動的に「5日間会社を休む」という制度ではありません。

可能なら部屋を分け、世話をする人を限る

家族の誰かが陽性になった場合、家庭内感染を減らすため、可能であれば部屋を分けます。

感染した人の世話をする家族も、できるだけ限られた人にします。

住環境によって完全に部屋を分けられない家庭もあります。その場合でも、換気や手指衛生など、できる対策を組み合わせます。

  • 窓を開けるなどして換気する
  • 可能なら生活する部屋を分ける
  • 状況に応じて不織布マスクを着用する
  • 手洗いなどの手指衛生を行う
  • 感染した家族の世話をする人をできるだけ限る
  • 高齢者など重症化リスクが高い人との接触をできるだけ控える

仕事・学校・家族は「同じ5日」ではない

対象 5日という数字の意味
陽性になった本人 発症日を0日目として5日間は外出を控えることが推奨される
学校に通う陽性者 発症後5日を経過し、さらに症状軽快後1日を経過するまで出席停止
同居家族 感染者の発症日から特に5日間は自分の体調へ注意する。法律上の外出自粛期間ではない

同じ「5日」という数字が出てきても、本人・学校・同居家族では意味が違います。

治ったあとも症状が続く「罹患後症状(Long COVID)」とは?

新型コロナでは、発熱など急性期の症状が落ち着いたあとも、だるさや咳、息切れなどがなかなか消えないことがあります。

こうした状態は一般に「後遺症」と呼ばれることがありますが、厚生労働省では「罹患後症状」という言葉を使っています。

罹患後症状は、急性期から症状が続く場合だけではありません。一度回復したように見えたあと新しく出てくる症状や、いったん消えてから再び現れる症状もあります。

倦怠感・咳・息切れなど、さまざまな症状が長引くことがある

症状の種類 みられることがある症状
全身症状 疲労感・倦怠感、筋力低下など
呼吸器症状 咳、喀痰、息切れ、胸痛など
神経・認知症状 頭痛、記憶障害、集中力低下など
感覚の異常 嗅覚障害、味覚障害など
睡眠・精神面 睡眠障害、抑うつなど
その他 関節痛、筋肉痛、動悸、脱毛、下痢、腹痛など

「後遺症」と聞くと、息切れや咳など肺に関係する症状だけを想像するかもしれません。

実際には、疲労感や集中力低下、睡眠障害、味覚嗅覚の異常など、呼吸器以外の症状もあります。

急性期から続く場合だけでなく、回復後に新しく出ることもある

出方 イメージ
急性期から続く 発症時からあった咳や倦怠感などが、そのまま長く残る
回復後に新しく出る 熱などが落ち着いたあと、別の症状が出てくる
一度消えて再び出る いったん改善した症状が、しばらくして再び現れる

反対に、新型コロナに感染した後に起こった不調を、すべて罹患後症状と決めつけることもできません。

別の病気が原因で似た症状が出る場合もあるからです。

WHOのLong COVIDと、厚労省の「罹患後症状」は少し言葉の使い方が違う

「Long COVID」という言葉もよく使われます。

厚生労働省のQ&Aでは、WHOの「post COVID-19 condition(Long COVID)」について、通常はCOVID-19発症から3か月ほどたった時点にもみられ、少なくとも2か月以上続き、ほかの疾患では説明できない症状という定義を紹介しています。

一方、厚生労働省が一般向けに使う「罹患後症状」は、急性期からそのまま続く症状や、回復後に新たに出る症状などをより広く含む説明です。

単に数日咳が残っただけでWHO定義のLong COVIDと自己判断するものではありません。

罹患後症状が続いていても、それだけで「まだ感染させる」とは考えない

長く咳が残っていると、「まだウイルスがいて家族へうつすのでは」と不安になるかもしれません。

罹患後症状は、感染性がなくなったあとにも残ることがあります。

罹患後症状が続いていること自体は、その期間ずっと新型コロナを他人へ感染させ続けているという意味ではありません。

発症直後の感染性がある時期については、前述した5日・10日の目安に沿って周囲へ配慮します。

多くは時間とともに改善するが、長く残る人もいる

罹患後症状の多くは時間の経過とともに改善することがありますが、症状が長く残る人もいます。

「後遺症になったらずっと治らない」と決めつける必要はありません。

同時に、「そのうち治る」と、生活に支障が出る状態を我慢し続ける必要もありません。

改善しているのか、横ばいなのか、悪化しているのかを見ながら対応します。

罹患後症状だけに特化した一律の治療法があるわけではない

罹患後症状については、原因やメカニズムにまだ分かっていない部分があります。

罹患後症状に特化した一律の治療法が確立しているわけではなく、実際の診療では症状に応じた対症療法などが行われます。

同時に、長引く症状が別の病気によるものではないかを確認することもあります。

症状が改善せず続くなら、まずかかりつけ医などへ相談する

「最初から後遺症専門外来を探さなければいけない」と考える必要はありません。

症状が改善せず続く場合は、まずかかりつけ医など地域の医療機関へ相談します。

状態 考え方
症状が少しずつ改善している 体調を見ながら経過を確認する場合もある
症状が改善せず続いている かかりつけ医など地域の医療機関へ相談する
生活や仕事に支障が出ている 我慢を続けず、症状と生活への影響を医師へ伝える
症状が急に悪化した 「Long COVIDだから」と決めつけず、通常の体調悪化として適切に受診する

仕事復帰は「療養期間が終わったから一気に元通り」にしないことも大切

外出を控える期間が終わっていても、疲労感や息苦しさ、集中力低下などが残っていれば、以前とまったく同じ仕事量に戻すのがつらい場合があります。

症状によっては、主治医などと相談しながら、勤務時間の短縮やテレワークなどを利用し、段階的な社会復帰を検討します。

  • 最初は勤務時間を短くする
  • 可能なら在宅勤務を利用する
  • 体力を使う仕事を一時的に減らす
  • 休憩を取りやすい働き方へ調整する

「長引いている=Long COVID」と自己診断しない

感染後に不調があると「これはLong COVIDだ」と考える人もいるでしょう。

実際に罹患後症状である可能性はあります。

ただ、疲労感、息切れ、頭痛、動悸、睡眠障害などは、新型コロナ以外の病気でも起こり得ます。

「コロナの後だから全部後遺症」と決めつけず、改善しない症状は医療機関で確認するという姿勢が大切です。

2020年当時と2026年現在では、新型コロナへの対応はどう変わった?

このページを最初に公開した2020年2月当時、新型コロナは病気そのものについて分かっていないことが多く、ワクチンも治療薬も現在のようには整っていませんでした。

医療機関へかかる流れや、感染した人・接触した人の行動制限も今とはかなり違います。

「新型コロナという病気そのものが別物になった」というより、病気について分かったこと、使える治療法、医療制度、社会での対応が大きく変わったと考えると分かりやすいでしょう。

項目 2020年当時 2026年現在
ワクチン 研究・開発段階 薬事承認されたワクチンがあり、重症化予防を目的に利用されている
抗ウイルス薬 新型コロナに対する確立した治療薬がない段階 日本で承認された抗ウイルス薬が複数ある
医療提供体制 保健所や限られた医療機関を中心に対応 広く一般的な医療機関で診療する通常の医療体制
感染症法上の位置づけ 新型インフルエンザ等感染症として特別な対応 2023年5月8日から5類感染症
陽性者の外出 法律に基づく療養・行動制限があった 法律による一律の外出自粛はなく、厚生労働省が外出を控える目安を示している
濃厚接触者 保健所による特定や行動制限があった 一般に濃厚接触者として特定されず、法律に基づく一律の外出自粛もない
医療費 新型コロナに対する特例的な公費支援があった 2024年4月以降は特例的な公費支援が終了し、通常の医療保険制度へ移行
罹患後症状 分からないことが非常に多かった Long COVID・罹患後症状として公的なQ&Aや診療情報が整備されている

2020年にはなかったワクチンが、現在は利用されている

2020年2月当時、新型コロナワクチンは研究・開発段階でした。

現在は薬事承認された新型コロナワクチンがあり、重症化予防を目的に利用されています。

一方、接種制度は流行初期から何度も変わっています。

特例臨時接種として広く無料で接種していた時期は終了し、現在は定期接種を中心とした制度へ移っています。

制度や使用されるワクチンは年度によって変わる可能性があるため、接種を検討するときは厚生労働省や自治体の最新情報を確認してください。

「治療薬はない」という2020年の説明は、現在では使えない

旧記事で大きく書き換える必要がある部分の一つです。

2020年2月当時は、新型コロナに対する治療薬が整っておらず、「特効薬はない」という説明が広く使われていました。

現在は日本で承認された抗ウイルス薬があります。

もちろん、陽性者全員へ同じ薬を使うわけではありません。重症化リスク、発症からの日数、基礎疾患、服用中の薬などを確認して必要性を判断します。

「まず保健所」から、通常の医療体制へ変わった

2020年当時は、新型コロナが疑われる人を限られた医療機関へつなぐ必要があり、保健所や専用相談窓口が大きな役割を担っていました。

現在はその体制ではありません。

2024年4月以降、特別な公費支援などを前提とした体制から、通常の医療提供体制へ移行しています。

旧記事に残っていた「まず保健所へ」という説明をそのまま残すと、現在の受診フローとずれてしまいます。

5類移行で、法律による一律の行動制限はなくなった

2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症は5類感染症へ移行しました。

これに伴い、陽性者や濃厚接触者へ感染症法に基づく一律の外出自粛を求める仕組みはなくなっています。

ただし、「感染したら自由に外出してよい」という意味ではありません。

法律による強制的な行動制限から、感染リスクを踏まえて本人と周囲が行動を判断する仕組みへ変わったと考えると分かりやすいでしょう。

「濃厚接触者だから5日間外出できない」という仕組みも現在はない

家族が陽性になると、「自分も濃厚接触者として外出できないのでは」と考える人が今でもいます。

5類移行後は、一般に保健所から濃厚接触者として特定されることはなく、濃厚接触者という理由だけで法律上の外出自粛を求められることもありません。

一方、同居家族については感染者の発症日から特に5日間は体調に注意し、7日目までは発症する可能性を意識します。

2024年4月から特例的な公費支援も終了した

医療費の扱いも変わっています。

流行初期から5類移行後の一定期間までは、新型コロナ治療について特別な公費支援がありました。

2024年4月以降は特例的な公費支援が終了し、通常の医療保険制度へ移行しています。

現在は、新型コロナだからという理由だけで検査や治療薬が一律無料になる仕組みではなく、基本的には通常の医療保険に応じた自己負担が発生します。

2020年にはほとんど分からなかった罹患後症状も、公的情報が整備されている

Long COVIDについても、2020年2月の記事にはほとんど入れようがありませんでした。

感染そのものが確認され始めたばかりで、感染後にどのような症状が残るのかを長期的に調べる時間がなかったためです。

現在は厚生労働省が「罹患後症状」としてQ&Aや診療情報を公開しています。

2020年の記事を読むときは「当時の情報」と「現在の判断材料」を混ぜない

2020年の記事に書かれていたことが、すべて「間違いだった」というわけではありません。

未知の感染症が広がり始めた当時は、その時点で得られていた情報をもとに対応するしかありませんでした。

問題になるのは、その情報を2026年にもそのまま使うことです。

古い情報をそのまま残した場合 起こり得る誤解
治療薬はない 現在も治療選択肢が存在しないと思ってしまう
まず保健所へ連絡 現在の通常の受診フローとずれる
濃厚接触者は外出自粛 現在も法律上の行動制限があると思ってしまう
決められた期間は一律隔離 5類移行後の現在の考え方とずれる
感染後の症状について説明がない 罹患後症状への相談機会を逃す可能性がある

このページでは、2020年の記事へ新しい情報を少し付け足すのではなく、現在確認できる公的情報から内容を組み直しています。

よくある疑問

喉が痛いだけでも新型コロナの可能性はありますか?

あります。

新型コロナでは喉の痛みなどの呼吸器症状がみられることがあり、ほかの症状が目立たない場合もあります。

ただし、喉の痛みは一般的な風邪やインフルエンザなどでも起こるため、「喉が痛い=新型コロナ」と判断することもできません。

熱がなくても新型コロナのことはありますか?

あります。

発熱は新型コロナでみられる症状の一つですが、感染者全員に起こるわけではなく、無症状で感染している場合もあります。

「熱がないから新型コロナではない」とは判断できません。

自宅の抗原検査が陰性なら、新型コロナではありませんか?

陰性でも、新型コロナを完全には否定できません。

感染していても検査時期や検体の採り方などによって陰性になることがあります。

症状が続く、強くなる、重症化リスクがある場合は、陰性という結果だけで判断せず医療機関へ相談してください。

抗原検査が陽性だったら、すぐ病院へ行く必要がありますか?

陽性者全員が必ずすぐ医療機関へ行かなければならないわけではありません。

症状の強さ、年齢、基礎疾患、妊娠などによって必要な対応は変わります。

高齢者や基礎疾患がある人、症状が強い・悪化している人などは早めに相談します。

呼吸が明らかに苦しい、意識がおかしいなど緊急性の高い状態なら、通常の受診予約を待たず救急要請を考えます。

陽性になったら会社は何日休めばいいですか?

会社員について、全国一律に「○日間出勤禁止」とする感染症法上のルールがあるわけではありません。

発症日を0日目として5日間は外出を控えることが推奨され、5日目にも症状がある場合は、症状が軽快して24時間程度が経過するまで控えます。

実際の出勤については、勤務先の就業規則や社内ルールも確認してください。

家族が陽性でも仕事へ行っていいですか?

同居家族が陽性になっただけで、本人が濃厚接触者として法律上一律に出勤や外出を禁止される制度は現在ありません。

ただし、家庭内で感染している可能性があります。

感染した家族の発症日を0日として、特に5日間は自分の体調に注意し、7日目までは発症する可能性を意識します。

5日たてば、高齢者と普通に会ってもいいですか?

「5日たったから感染させる可能性はゼロ」とは考えない方がよいでしょう。

発症後10日間が経過するまでは、不織布マスクを着用したり、高齢者など重症化リスクが高い人との接触を控えたりする配慮が推奨されています。

「5日を過ぎたか」だけでなく、「発症から10日以内か」「症状が残っていないか」まで見て判断します。

だるさや咳が続くのはLong COVIDですか?

新型コロナの罹患後症状として、疲労感・倦怠感、咳、息切れなどが続くことはあります。

ただし、感染後にだるさや咳が残っているというだけで、自分でLong COVIDと確定することはできません。

似た症状は別の病気でも起こります。

症状が改善せず続く、仕事や日常生活に支障が出ている、あるいは悪化している場合は、かかりつけ医など地域の医療機関へ相談してください。

まとめ|症状だけで判断せず、「今どう行動するか」まで知っておこう

新型コロナにかかると、発熱、咳、喉の痛み、倦怠感、頭痛、味覚・嗅覚の異常、下痢など、さまざまな症状が出ることがあります。

一方で、症状がほとんど出ない人もいます。

こうした症状の多くはインフルエンザや一般的な風邪とも重なるため、症状だけで「新型コロナかどうか」を判断するのは難しいのが実際のところです。

体調に異変を感じたとき、症状が重くなければ国が承認した抗原検査キットでセルフチェックする方法があります。

その際は「第1類医薬品」または「体外診断用医薬品」の表示を確認し、「研究用」と書かれた検査キットを診断目的で使わないことも大切です。

抗原検査が陰性でも感染を完全には否定できません。

症状が続く、悪化する、重症化リスクがある場合は、検査結果だけで判断せず医療機関へ相談します。

急な呼吸困難や意識の異常など、明らかに緊急性が高い状態なら、通常の受診予約を待たず救急要請を考えます。

2020年当時との大きな違いは、現在は新型コロナに対する承認済みの抗ウイルス薬があり、一般的な医療機関で診療を受けられる体制になっていることです。

ただし、治療薬は陽性者全員が同じように使うものではありません。発症からの日数、重症化リスク、基礎疾患、服用中の薬などを確認し、必要性を医師が判断します。

陽性になった場合は、発症日を0日目として5日間は外出を控えることが推奨されています。

5日目にも症状が残る場合は、症状が軽快してから24時間程度が経過するまで外出を控えます。

さらに発症後10日間が経過するまでは、不織布マスクの着用や高齢者など重症化リスクの高い人との接触を控えるなど、周囲への配慮が勧められています。

新型コロナは、急性期が終われば必ずすべての症状が消えるとも限りません。

疲労感、咳、息切れ、集中力低下、味覚・嗅覚障害などが続く罹患後症状(Long COVID)がみられることがあります。

感染後の不調が改善せず、仕事や日常生活に影響している場合は、「そのうち治る」と我慢し続けず、かかりつけ医など地域の医療機関へ相談してください。

新型コロナについて、2020年当時と2026年現在では、治療薬、受診方法、外出の考え方、濃厚接触者の扱いなど、多くのことが変わりました。

症状だけで病名を決めるのではなく、検査結果、症状の経過、自分の重症化リスクを見ながら、「自宅で体調を見るのか」「医療機関へ相談するのか」「救急対応が必要なのか」を考える。

それが、現在の新型コロナについて知っておきたい大切な判断軸です。

参考リンク

この記事は、厚生労働省や国立健康危機管理研究機構(JIHS)などが公表している情報をもとに内容を確認しています。制度や推奨内容は今後変更される可能性があるため、最新情報は各公式サイトもあわせて確認してください。

※各リンクの内容は記事更新時点で確認しています。診療、検査、ワクチン、感染後の過ごし方などは今後変更される可能性があります。

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