最近海外で感染の広がりが速いということで「サル痘」が話題になっています。
また少し前から新型コロナワクチンの接種者に帯状疱疹が多いとの情報や、ワクチン関係なく帯状疱疹で受診する患者が増えているという情報もありますね。
時期が重なったのと、どちらも皮膚に発疹が出る病気ということで、日本で増えている「帯状疱疹」が「サル痘」か!?と恐怖を煽るような情報が出たりしているようですね。(知らなかった)
どちらも原因となるウイルスが違いますので全く別の病気であることは確かです!
ですから、日本国内で帯状疱疹が増えていたとしても、「サル痘」では全く無いので安心してください。
では間違った情報が一部で広がった(私は知らなかった・・orz)のはなぜでしょうか?
「サル痘」=「帯状疱疹」の間違った情報
そもそもの間違った情報の原因はなんと、
あるサイトに使われていた各病気の写真が同じだったから!!
という驚きの理由でした。
サル痘に関して伝えるサイトと、帯状疱疹に関して伝えるサイト、それぞれが利用していた写真が同じだったことが発端となり、「恐怖を煽ろうとしている」などと広がっている。しかし、そもそも双方の病気はウイルスの種類が異なる。元となったサイトもすでに画像を修正しており、注意が必要だ。【BuzzFeed Japan/籏智 広太】
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/d8cb618fe9becf8c98d7366a7157df9e40bf2416?source=rss
「サル痘」と「帯状疱疹」ではウイルスが違う!!
そもそも「サル痘」と「帯状疱疹」では原因となるウイルスが全く違います。
- 「サル痘」は【サル痘ウイルス】
- 「帯状疱疹」は【ヘルペスウイルス】
と全く種別の違うウイルスが原因です。
どちらも皮膚に発疹ができる症状があるために同じように感じた方もいらっしゃるでしょうが、症状が全く違いますよ。
サル痘とは?
サル痘ウイルスは主にげっ歯類が宿主となっている。
動物から人に伝染ることが多く、ヒトーヒト感染では患部の接触や性交渉や粘膜接触などを通じて稀に広がることがあるものです。
発熱やリンパ節腫脹などの症状が出た後に、顔から体幹部へと発疹が出てることが多いようです。
2~4週間ほどで治癒し、発疹の跡が残ることがあるようですね。
致死率は1~10%ですが、環境衛生や栄養状態が良い先進国では死亡例はこれまで確認されていないようです。
昔に猛威を振るった天然痘も衛生環境の充実と栄養状態の改善により減少したという説もあるほどです。
帯状疱疹とは?
帯状疱疹の原因はヘルペスウイルスの一種ですが、所謂水疱瘡のウイルスです。
子供のときに罹った水疱瘡ですが、完治してもヘルペスウイルスは身体に潜伏したままとなっています。
それが加齢やストレスなどの免疫の低下により、再び暴れだしたのが「帯状疱疹」です。
発疹が出る場所は様々であり、痛痒いの特徴ですね。
掻いて発疹からツユが出ると飛び火するとも言われますね。
放置して発疹がひどくなると、末梢神経も侵すため治癒しても神経痛のようなチクチクした痛みなどが残ることもあります。
早期に治療をすることおすすめですよ。
身体に発疹がでたら、まずは医療機関を受診することが望ましいですね。
まとめ
「サル痘」=「帯状疱疹」という誤情報が出たのは「サル痘」について説明したサイトと「帯状疱疹」について説明したサイトが同じ画像を使っていたからでした。
その写真はどうやら「iStock」という写真素材を販売しているサイトにある写真だったようですね。
実際の患者の写真を使用するには患者本人の許可が必要でしょうから、イメージ写真ということで写真素材を使用したようですね。
手の甲や指のところにブツブツとした発疹がある写真ですが、説明には帯状疱疹の写真と書いてあります。
サル痘自体が珍しいので写真素材としてサル痘の発疹を撮影した写真が素材屋にあるはずがないのです。
ですので発疹のイメージとして「サル痘」の説明に「帯状疱疹」の素材写真を使用したようですね。
また「サル痘」は【サル痘ウイルス】によりおこる病気であり、「帯状疱疹」は【ヘルペスウイルス】による病気です。
全く違いますし、帯状疱疹は日本人の約3分の1が80歳になるまでに一度は発症すると言われるほど、誰がなってもおかしくない病気です。
適切な処置や対処は必要ですが帯状疱疹はナーバスになるほどの病気ではないです。(サル痘に比べれば)
一方サル痘に関しては病気自体は致死率もそれなりに高く、発疹も大きくなったり跡が残ったりと大変な病気ではあります。
しかし感染経路が患者に近づかないと行けないほどですので、他人が感染するのは難しいとも言えます。
過去には患者が使用していたリネン類を片付けていた看護師(?)が伝染ったという事例もあるようですが、稀なようです。
状況を注視していく必要はありますが、現状では騒ぐほどのことでも無いです。
状況が変わりましたら、改めて記事にします。
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