コラーゲンは、お肌や関節の健康に欠かせないタンパク質です。しかし、加齢や紫外線などの影響で、コラーゲンの生成量は減少していきます。
そこで、コラーゲンを含むサプリメントやドリンクなどを摂取することで、コラーゲンの不足を補うことができると考えられています。
しかし、本当にコラーゲンの摂取は効果的なのでしょうか?また、コラーゲンと似た成分であるゼラチンでも同じ効果が得られるのでしょうか?
この記事では、医学的なエビデンスも紹介しつつ、コラーゲンとゼラチンの効果について解説します。
コラーゲンは効果が無い?
コラーゲンとはタンパク質の一種です。
最近でもコラーゲンの健康食品やサプリメントなどがテレビでも話題になりますね。
キレイになりたい、健康になりたいということで飛びつく方もいらっしゃるでしょう。
では実際にコラーゲンには効果があるのでしょうか?
化粧品のコラーゲンは効果が無い??
一つ明確に言えるのは肌に塗るタイプのコラーゲンは効果がない可能性が高いです。
タンパク質は分子量が大き(粒)が大きいので肌に塗ったところでそこから吸収されることはありません。
確かに皮膚組織を作るのにコラーゲンが必要です。
ですが、自分の身体で作られたコラーゲン以外は異種タンパク質として、身体の免疫機能が排除します。
もし仮に皮膚に塗ったコラーゲンが浸透し、血液で運ばれたら・・・アレルギー反応などが起きるでしょう。
そもそも分子量が大きいので皮膚から吸収できないので問題は無いのですが・・・吸収できないということは意味が無いということですね。
コラーゲン配合、もしくはコラーゲンペプチド配合の液体やクリームを皮膚に塗っても吸収されて血液に乗って皮膚組織の生成を促進するというのは、そもそも皮膚からの吸収が難しいので無理そうですね。
コラーゲンの経口摂取は効果ある?
ではコラーゲンを含むものを食べたり飲んだりしたら効果はあるのでしょうか?
先程も書きましたとおり、コラーゲンはタンパク質の一種です。
食べた場合にコラーゲンがそのまま身体に吸収されるかと言うと違います。
タンパク質は胃腸でアミノ酸に分解されます。
アミノ酸となって身体に吸収され、必要に応じてタンパク質などに再合成されます。
ですからコラーゲンとして食べたものはアミノ酸に分解され、また身体の中で必要とされてコラーゲンに再合成されることもあると考えられますが、摂り入れた全てがコラーゲンになるわけではありません。
しかも大豆やお肉、お魚などのタンパク質を食べてももちろんアミノ酸に分解され、一部は必要に応じてコラーゲンに再合成されます。
ですので”コラーゲン”として摂り入れる必要性は微妙かもしれませんね。
ゼラチンが良いかも?
ゼラチンと聞くとゼリーやお菓子などの材料というイメージではないでしょうか?
実はゼラチンとコラーゲンって関係があるんですよ?
コラーゲンとゼラチンの違いは?
コラーゲンとゼラチンは、同じ元素で作られていますが、加熱されたコラーゲンがゼラチンになります。
コラーゲンは、生体内に豊富に存在する三重らせん構造のタンパク質ですが、消化吸収が困難なため、ゼラチンのように加熱処理することで消化されやすくなります。ゼラチンは、コラーゲンよりも消化されやすく、ゲル化能を持っています。一方、コラーゲンペプチドは、ゼラチンをさらに低分子化したものであり、ゲル化能がないことが特徴です。
このように、コラーゲン、ゼラチン、コラーゲンペプチドにはそれぞれ異なった特徴があります。これらの栄養素は、肌や骨などの健康に重要な役割を果たします。
ということで、実はコラーゲンとゼラチンではほとんど栄養素が変わらないんですよ!
お高いコラーゲンを購入しなくても製菓用のゼラチンを使えばもっとお得に摂取できるわけですよ。
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コラーゲンやゼラチンの効果や摂取方法は?
コラーゲンは、肌のハリやツヤ、骨や筋肉の生成、組織の修復などに役立ちます。ゼラチンには、コラーゲンと同じアミノ酸が含まれており、関節の痛みや腸の調子を整えるなどの効果があります。
これらの栄養素を摂取する方法には、食品やドリンク、サプリメントがあります。コラーゲンを多く含む食品には、動物の皮や骨、魚の皮や骨、豚足、鶏皮、牛スジなどがあります。一方、ゼラチンを多く含む食品には、寒天、ゼリー、プリンなどがあります。また、コラーゲンやゼラチンの効果を高めるためには、ビタミンCや亜鉛などの栄養素も一緒に摂取することが重要です。
適切な摂取量は、1日あたりのコラーゲン摂取量の目安は5mgから10mgで、過剰に摂取すると体内に吸収されず蓄積されることがあります。ゼラチンの摂取量については、明確な基準はありませんが、一般的には5gから10g程度が適量とされています。健康的で美しい肌や身体を手に入れるために、適切な摂取方法や摂取量を実践することをおすすめします。
コラーゲンとゼラチンに含まれるアミノ酸と栄養素は?
コラーゲンとゼラチンに含まれるアミノ酸や栄養素を表にまとめました。コラーゲンとゼラチンは、タンパク質の一種であり、そのアミノ酸組成はほぼ同じです。
ただし、ゼラチンにはトリプトファンという必須アミノ酸が含まれていません。また、コラーゲンやゼラチンには、水分や灰分などの無機物も少量含まれています。
今回は牛皮に含まれるコラーゲンとゼラチンでの比較です。
アミノ酸 | コラーゲン(牛皮) | ゼラチン(牛皮) |
---|---|---|
アラニン | 9.0% | 9.0% |
アルギニン | 8.0% | 8.0% |
アスパラギン酸 | 6.0% | 6.0% |
システイン | 0.1% | 0.1% |
グルタミン酸 | 10.0% | 10.0% |
グリシン | 22.0% | 22.0% |
ヒスチジン | 0.8% | 0.8% |
イソロイシン | 1.5% | 1.5% |
ロイシン | 2.9% | 2.9% |
リジン | 4.2% | 4.2% |
メチオニン | 0.8% | 0.8% |
フェニルアラニン | 2.4% | 2.4% |
プロリン | 12.0% | 12.0% |
セリン | 3.6% | 3.6% |
スレオニン | 2.2% | 2.2% |
チロシン | 0.5% | 0.5% |
バリン | 2.4% | 2.4% |
ヒドロキシプロリン | 12.5% | – |
ヒドロキシリジン | -1.5 % | – |
この表は参考程度にご覧ください。コラーゲンやゼラチンのアミノ酸組成は、原料の種類や製造方法によって異なる場合があります。また、栄養素の含有量は、製品の表示を確認することをおすすめします。
コラーゲンは医学的に見て効果はない??
コラーゲンは医学的に見て効果は無いのでしょうか?
皮膚や骨などの組織の構成成分にコラーゲンが重要なことは当然のことです。
しかし、身体のために絶対不可欠な成分だからこそ、普段の食事で食べられるものから材料が比較的簡単に補充できるようになっているのも事実です。
コラーゲンを含むサプリを飲んでも、アミノ酸に分解されて体内で必要に応じて再合成されます。
美肌効果を望んでコラーゲンのサプリを飲んでもお肌”だけ”に届くとは限らないのです。
医学分野でも長年研究が重ねられています。エビデンスは少ないですが、全く効果が無いわけではありません。
実験では多くはコラーゲンと言うよりは分解されたゼラチンやコラーゲンペプチドの形で摂取してもらい追跡調査をしたものが多いですね。
コラーゲンの研究を支える「仮説」は妥当です。簡単に述べると,コラーゲンには特有とも言えるアミノ酸(水酸化プロリンなど)が含まれており,それを含む化合物の摂取が身体に「コラーゲンが壊れている」と勘違いさせ,その生成を促す(positive feedback)というものです。コラーゲン生成の働きを示す血中の指標については,この仮説と矛盾しない結果が得られています(Am J Clin Nutr. 2017[PMID:27852613])。
(中略)
厳密に言えば,コラーゲン摂取の効果には「強いエビデンスはない」と考えるのが良いでしょう。とは言えその効果検証については,複数の臨床試験が実施され良好な効果が報告されており,第5話(第3235号)で紹介したような代替医療と比べると何歩もリードしているように思います。以下は二重盲検ランダム化比較試験の例です。コラーゲン摂取群ではゼラチン,コラーゲン加水分解液あるいは錠剤が,対照群では多糖類のゼリーなどが使用されています。
■米国にて,関節痛を訴えた運動部の学生147人を対象にした半年間の試験(Curr Med Res Opin. 2008[PMID:18416885])。医師による痛みの診断では,多くの項目についてコラーゲン摂取群で有意に改善がみられ,はり治療などの利用も減少。
■米国にて,褥瘡患者89人を対象にした2か月間の多施設試験(Adv Skin Wound Care. 2006[PMID:16557055])。褥瘡治癒判定スケール(PUSH)の改善に有意な差。
■エクアドルにて,変形性膝関節症患者250人を対象にした半年間の多施設試験(Osteoarthritis Cartilage. 2012[PMID:22521757])。膝機能の評価指標の改善に有意な差。
■米国にて,腰椎の骨密度の低い閉経後の女性29人を対象にした3か月の試験(J Food Nutr Disor. 2013[DOI:10.4172/2324-9323.1000102], PubMed未登録)。全身骨密度値の変化で有意な差。
しかし,上記の研究を含め多くの研究では実施,解析,発表の質についてさまざまな問題を抱えており,盤石とは言えません(ランダム化や追跡の著しい失敗など)。また臨床研究として未登録のものも多く,作為的な報告や未発表の研究の疑いも拭えません。さらにコラーゲン製品に関係した利益相反も課題の一つです。上記の研究を含め多くの研究でバイアスの可能性が否定できず,研究領域全体の質の向上が求められます。
引用:コラーゲンのエビデンス(今村文昭) | 2017年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院 (igaku-shoin.co.jp)
まだまだこれからの研究結果が待たれるということですね。
コラーゲンサプリよりももっと良いものがある?
コラーゲンサプリもたくさん種類が販売されていますよね。
先程見た通り、医学的にも全く効果が無いわけでは無いが、エビデンスが弱いのも確かということでしたね。
美肌や健康のために皮膚や筋肉、骨の材料に欠かせないコラーゲンですが、タンパク質であるので、アミノ酸から合成されることはわかりました。
コラーゲンを作るために必要なアミノ酸の種類と量が十分に体内に有れば必要に応じて生成してくれるわけです。
ということはコラーゲンにこだわらなくてもバランスよくアミノ酸になるタンパク質を食べていれば体内でコラーゲンを合成してくれるということがわかりますね。
良質なタンパク質といえば「大豆」では無いでしょうか?
日本人なら豆腐やお味噌、納豆など大豆製品には馴染み深いと思います。
そしてご存知の通り、大豆はアミノ酸スコアが100のかなりバランスの良いタンパク質ですよね!
もう一つが卵ですね。
こちらも良質なタンパク質が含まれる食材として有名です。
早速コラーゲンと比較してみましたよ。
アミノ酸の比較
コラーゲンと大豆、卵に含まれるアミノ酸の量を比較してみました。
製品や産地・種類によって含まれるアミノ酸の量は増減すると思いますが参考までにどうぞ。
アミノ酸 | コラーゲン(g/100g) | 大豆(g/100g) | 卵(g/100g) |
---|---|---|---|
アスパラギン酸 | 5.9 | 11.9 | 9.7 |
スレオニン | 1.9 | 3.8 | 4.4 |
セリン | 3.6 | 5.2 | 6.8 |
グルタミン酸 | 11.4 | 19.1 | 12.8 |
プロリン | 13.5 | 5.6 | 3.7 |
グリシン | 33.5 | 4.1 | 3.2 |
アラニン | 8.9 | 4.3 | 5.7 |
システイン | – | 1.3 | 2.0 |
バリン | 2.2 | 4.9 | 6.0 |
メチオニン | 0.8 | 1.3 | 2.9 |
イソロイシン | 1.5 | 4.5 | 5.6 |
ロイシン | 2.9 | 7.8 | 8.7 |
フェニルアラニン | 2.4 | 5.1 | 5.7 |
チロシン | – | 3.8 | 4.6 |
リジン | 3.5 | 6.3 | 6.7 |
ヒスチジン | 0.8 | 2.5 | 2.1 |
アルギニン | 7.8 | 7.6 | 6.0 |
トリプトファン | – | 1.3 | 1 |
コラーゲンはグリシン、プロリン、アルギニンなどのアミノ酸が多く含まれていますが、メチオニンやチロシンなどの必須アミノ酸が少ないです。
大豆は必須アミノ酸がバランスよく含まれているため、良質なタンパク質源と言われています。コラーゲンと大豆を組み合わせることで、必要なアミノ酸を効率的に摂取できるかもしれません。
また、卵は必須アミノ酸がバランスよく含まれているため、アミノ酸スコアが100で、良質なタンパク質源と言われています。コラーゲンや大豆と比べると、グリシンやプロリンなどの非必須アミノ酸は少ないですが、必須アミノ酸はほぼすべて多く含まれています。
こうして比較してみるとコラーゲンの方がプロリンやグリシンなどは大豆や卵の8倍以上も含まれていたりしますが、アミノ酸はバランスよく摂取しないと活用できないことがわかっています。
その指標がアミノ酸スコアというものになりますが、大豆と卵はともに100(最高値)です。
一方コラーゲンは含まれるアミノ酸に偏りがあるためアミノ酸スコアは0になります。
ですので、ありえないですけど、コラーゲンのみを摂取した場合は十分にアミノ酸が活用できない可能性もあります。
大豆や卵など他のタンパク質を多く含む食材と一緒にとることでより効率よくアミノ酸が活用できるでしょう。
まとめ
コラーゲンが体内でよい働きをするかどうかについてはエビデンスがまだ足りないという印象ですね。
コラーゲンだけをとっても体内で利用しきれない可能性もあります。
コラーゲンはタンパク質の一種ですので、食べると胃腸で分解されてアミノ酸になります。
コラーゲンの形のまま吸収されて活用されるわけではないんです!
もちろん吸収の後に必要に応じてコラーゲンに再合成される可能性はありますが、絶対ではありません。
そして高価なコラーゲンのサプリメントには疑問がつきます。
実はゼラチンはコラーゲンを加熱して得られたものであり、大抵の場合製菓用のゼラチンの方が安価に購入できることが多いです。
ゼラチンに含まれるアミノ酸の種類はコラーゲンとほぼ同じですので、高いコラーゲンサプリを使う必要性が・・・
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また効率よくアミノ酸を補給するなら、大豆や卵などの良質なタンパク質が含まれる食材でも十分に良いことがわかります。
わざわざ高いコラーゲンサプリじゃなくても日頃の食卓で十分に栄養がとれますね。
ただし、体内でのコラーゲンの合成にはビタミンCが必要不可欠です。
ですので、美肌効果やコラーゲンの健康効果を得たいならば、良質なタンパク質を摂ることと共にビタミンCをしっかりと摂ることが大切ですね。
サプリを購入するならビタミンCの方が良いかもしれませんね。
ビタミンCもハイチオールCなどいろいろありますが、体内に入っても数時間で尿とともに排出されてしまいますので、DHCなどのリーズナブルな商品でも良いと思います。
私の家ではDHCのビタミンCを一度に2錠ずつ朝昼晩と飲んだりします。
ビタミンCを摂取量が多すぎてもお腹を下すくらいの副作用ですので、遠慮なく飲んでいますね(笑)
ただ真似はしないでくださいね?自己責任でお願いします。
高齢両親はビタミンCを多めに飲んでいたら肌艶が良くなりましたね。
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[参考]
05.ゼラチンの一般的特性 | ゼラチン研究室 | Web研究所 | 新田ゼラチン株式会社 (nitta-gelatin.co.jp)
コラーゲンのアミノ酸組成 | コラーゲンLabo.com (collagen-laboratory.com)
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