鼻うがいは健康維持増進・感染症対策に良いというお話をしてきましたが、もちろん危険性やデメリットも有るといわれます。
特に、鼻うがいの危険性という表題になりますと「殺人アメーバ」の話が出てきます。
本当に鼻うがいは危険なのでしょうか??
怖くなりましたので調べてみました。
鼻うがいは危険!?
鼻うがいの危険性という話で出てくる衝撃的な話と言いますと、「殺人アメーバ」に感染して死亡したというものです。
水道水をそのまま使用したために水道水に含まれる殺人アメーバに感染してしまったということですね。
だから鼻うがいに使用するのは薬局などで販売されている蒸留水や滅菌水という安全に処理された水を使用すべきという話です。
しかしそれでは手間がかかりますし、コストもかかりますよね。
生理食塩水であれば鼻うがいができるので、ご自身で水道水から作成している人も多いと思います。
本当に危険なんでしょうか??
結論から言いますと・・・
です。
でも一応頭の片隅に入れておいてくださいね。
鼻うがいで殺人アメーバ!?
鼻うがいで殺人アメーバに感染した例というのは実は日本ではなくアメリカで起こったことです。
しかもたったの2例だけです!
この殺人アメーバによる被害はアメリカ国内でも年間で5件ほど。
判明しているだけで、1962年から2015年8月までに134の感染例があり、内生存者は3人だけです。
53年間で134人の感染例です。極稀ですよね。
日本においては殺人アメーバに感染したと確定した例はなんと1996年に佐賀県の鳥栖で1件だけです!
しかも鼻うがいが原因ではなく、この殺人アメーバが生息する淡水の河川や湖で泳いだり、水遊びをしたときに鼻に水が入って、そこから感染したというものです。
この殺人アメーバによる感染症は「原発性アメーバ性髄膜脳炎」といって、「フォーラーネグレリア」というアメーバが含まれる水などが鼻から入り、アメーバが鼻の粘膜などから侵入し、脳に至ると発症します。
非常に稀な感染症ではありますが、致死率は97%以上と発症するとほぼ助かりません。
治療法も未だに確立されていない感染症なのです。
アメリカでも感染例が53年で134件と稀な感染症ですが、珍しいからこそ見逃されている例も否定できません。
ですので海水浴はこのアメーバに関しては安全と言えるでしょう。
そこでなぜ水道水を使用した鼻うがいがこの殺人アメーバで危険だと言われたのでしょうか?
それがアメリカで起きた感染例によるものです。
2011年にルイジアナ州で男子大学生と50代女性が相次いで感染・死亡した。両者の家で得られるあらゆる水を徹底的に検査した結果、男子大学生の家では温水器など、50代女性の家では浴槽の排水溝などからアメーバを検出した。また、2人とも蓄膿症であり、それに伴う鼻づまりを改善するために「鼻洗浄器」を使用していたことが判明した[12]。また、2人とも鼻洗浄器には蒸留水か殺菌処理された水を使用しなければならないのに水道水を使用していたうえ、鼻洗浄器の手入れも不十分なまま繰り返し使っていたことも判明した。これらのことから、保健所は「それぞれの家の温水器・浴槽内で増殖したアメーバが空中を漂い(あるいは、温水器→水道水→鼻洗浄器の経路)、手入れが不十分な鼻洗浄器内でも増殖して、それを使って鼻を洗浄した際に鼻腔からアメーバに感染したもの」と断定した。
自宅の温水器や浴槽内でこの殺人アメーバが増殖していた。
そのアメーバが温水器→水道→鼻洗浄器と流れてきて、アメーバが含まれる水で鼻うがいをしてしまったので感染したという話の様です。
日本でも水道水は危険か?
上記のように
「鼻洗浄器には蒸留水か殺菌処理された水を使用しなければならない」
とありますが、実はこれはアメリカでの水道事情によるものです。
といいますのも、日本での浄水場では塩素消毒もしっかりしていますので水道水でアメーバというのはほぼ心配が無いです。
実際に鼻うがい愛好家の多くが水道水を使用して自作の洗浄液を作成しています。
念のために煮沸消毒をしたり、電子レンジで数分間温めて沸騰させたりして微生物を殺してから使用している人もいますが、そこまで気にしないで水道水を使用していても感染した例は報告がありません。
井戸水や湧き水を使用するなんて人はいないでしょうが、その場合は十分に気をつけた方が良いでしょうね。
(その場合は煮沸消毒は必須でしょう。井戸水や河川、湧き水しか身近に手に入らない方は、蒸留水を購入することをおすすめします。)
過信は禁物でしょうが・・・日本では水道水を使用した鼻うがいには危険性がほぼ無いとかんがえられます。
それよりも塩分濃度を気をつけるほうが大切です。
もちろん鼻洗浄器の小まめな洗浄と消毒も大切ですよ。
せっかく鼻の奥の粘膜をきれいにしようとしているのに、雑菌だらけの汚い洗浄機で汚染された洗浄液を注入しては意味が無いですからね。
初心者こそ最初は洗浄ボトルと洗浄液作成キットがセットになっているサイナスリンスがおすすめです。
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何故かボトル付きのほうがお買い得なんですよ(笑)
鼻うがいのデメリットは?
では鼻うがいにはデメリットは無いのか?といいますと、鼻周辺の調子が悪い人にはデメリットになる場合があります。
その一つが中耳炎です。
鼻には耳や目頭とつながっている管があります。
強く乱暴に鼻を噛むと耳が詰まったり、変なところに空気が入った用な感じがすることはありませんか?
耳管と言いまして中耳と上咽頭をつなぐ管です。
鼻のかみ方が悪いと変な圧力がかかり、洗浄液や洗浄液で薄まった鼻水がこの耳管に入り込んでしまうことがあります。
そしてそのままにしていると炎症が起こることがあります。
ですので鼻うがい後に奥に入った洗浄液を出そうと力いっぱい鼻をかんではいけません。
自然に流れ落ちるのを待つのが良いです。
ですのでもともと鼻炎がひどかったり、蓄膿症がひどい人はかかりつけの医師の指導のもと鼻うがいをしてください。
病状によっては鼻うがいが推奨されない場合もあります。
病院での治療をしっかりと行い、病状が改善してから、予防として鼻うがいをするのが良いでしょう。
鼻うがいを指導してくれる耳鼻咽喉科も多いですので、かかりつけ医に聞いてみるのが良いでしょう。
まとめ
鼻うがいの危険性ですが、水道水をそのまま使用することによる殺人アメーバの問題は、日本国内ではほぼ問題ないと言えると思います。
殺人アメーバは鼻に入ると感染する可能性がありますが、口から飲み込む場合においては胃酸などで退治されますので心配はないです。
田んぼの水や真夏の温まった水(湖や池など)に生息する可能性はありますが、古来より農家の人はその環境でマスクもせずに作業をしていますし、作業中に汚染された手指で鼻をこすったり等しているはずですが殺人アメーバに感染した例は報告されていません。
日本では非常に稀なケースでありますのでそこまで神経質にならなくても良さそうです。
また、鼻うがいのデメリットについても、鼻炎や蓄膿症などがひどい人がいきなり鼻うがいをしますと、注入圧力が強すぎたために変なところに洗浄液が入り込んでしまって炎症を新たに起こすことは考えられます。
ですので、症状や病気がある人は耳鼻咽喉科の医師に相談し、指導を受けながら鼻うがいを始めると良いと思います。
そして鼻うがいはあくまで予防のために行います。
日頃から毎日行うことにより、鼻の奥の粘膜を清潔に保てます。
その結果として病原菌やウイルスも洗い流せるので予防に繋がります。
私は1日2回、朝・夜で鼻うがいを行っています。
鼻うがいに慣れてくると、しないと気持ちが悪くなります。
といいますか、鼻うがい後の爽快感が病みつきになりますよ(笑)
個人的には鼻うがいに危険性は無いと考えています。
日本国内であれば水道水も安心して使用できますよ。
ただし、海外に行った場合は十分に気をつけてください。
ツアーガイドにも「現地の水道水は絶対に飲まないでください。お腹を下しますよ!!」なんて言われたりしますよね?
それだけ海外の水道の浄水レベルは低いということですね。
海外の場合は少なくとも煮沸消毒してから冷ました水を使用するほうが安全です。
安全な蒸留水や滅菌水と購入して鼻うがいをするのが良いでしょう。
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