特定外来生物の「コカミアリ」が岡山県で確認されたということです。
コカミアリってどんなアリなのでしょうか?
そして有毒で毒針に刺されるとどうなるのでしょうか?
度々外来種の生物がコンテナなどに潜み国内に入ってくることがあります。
特に昆虫は小さいので見逃してしまうと大変です。
気候変動で日本も気温が上がってきたことで南米やアフリカなどの暑い地域の生物も生存しやすくなっているのも外来種がいついてしまう原因かもしれません。
今回ニュースになった有毒の「コカミアリ」がどのようなアリなのか調べました。
「コカミアリ」ってどんなアリ?
コカミアリは森林に生息し、春から秋にかけて林床にある細い腐倒木の中に巣を作ります。1つの巣には50〜100匹の働きアリがいて、その中には5〜10匹の女王も含まれています。
コカミアリは一部の個体群では有性生殖を行いますが、他の個体群はクローン繁殖で無性生殖をします。両タイプの個体群のコロニーにはまだ雄が存在します。しかし、コカミアリの雄アリは他のアリのように女王アリを受精させるだけであり、自身には生殖能力がありません。また、働きアリたちは両親からの遺伝形質を受け継ぎます。生殖階級の子孫には特徴があります。それは、生殖能のある雄は女王アリからの遺伝形質を受け継がずに孵化し、新たな女王アリも父親からの遺伝的寄与を受け継ぐことなく孵化するということです。
コカミアリの女王アリはそれ単体でクローンの個体を生み出すことも出来ます。
ですのでしっかりと女王アリを駆除できないと増え続けてしまう可能性が高いです。
台湾でも中国から侵入して定着してしまったということで調査が続けられているようです。
台中でコカミアリの調査。去年、台中でコカミアリ定着の台湾初確認がありました。中国からの侵入定着で、いずれ日本も侵略される恐れが高いので、現状を確認。既に、市街地にも広がっているようです。小さなアリで発見も難しいですが、ライトに見たことの無い羽アリがとツイストから確認されたとか pic.twitter.com/px4ecwmufe
— Yoshiaki Hashimoto (@Anthunter1212) January 9, 2023
爆発的に増えやすいコカミアリ
コカミアリは IUCNの侵略的外来種ワースト100にリストされています。
コカミアリは多女王性と言って、集団(コロニー)の中に女王アリが複数いるようです。
卵を生むのは女王アリですので、集団に複数の女王アリがいるということは・・・・
卵の数がかなり多いということです。
また集団の中の女王アリが一部離れて他の場所でまた集団を作ることから爆発的に増える可能性があります。
上記にも書いた通り、女王アリはクローンの女王アリをオスを必要とせず生み出すことも出来ます。
なんと恐ろしい生態なのでしょうか!?
また昼夜問わず活動するので、より餌を集めやすく活発に増殖し易いという嫌な生態です。
水際対策の徹底が重要というのがよくわかります。
[参考]
進化は無性生殖を監視する | 沖縄科学技術大学院大学(OIST)
コカミアリ / 国立環境研究所 侵入生物DB (nies.go.jp)
コカミアリの特徴については次のページに詳しく掲載されています。
コカミアリ|東京都環境局「気をつけて!危険な外来生物」 (tokyo.lg.jp)
コカミアリの毒は危険?
有毒のコカミアリが侵入ということで、その毒がどのようなものか心配です。
毒針があるようで、コカミアリが生息している地域では時に家畜を襲うことも有るようです。
コカミアリに刺されると、アルカロイド系の毒によって
- 非常に激しい痛み
- 水疱状に腫れる。
- 毒に対してアレルギー反応を引き起こす
という症状が出るようです。
このような例が、北米だけでも年間で1500件(本種を含めた”fire ant”全体の件数)近く起こっているようです。
命に関わるほどの毒では無いですが、激しい痛みが出ることから農作業など屋外活動中に刺されると作業が継続出来ません。
また、小さいアリですので目視で避けるのも難しいですし、軍手では目が荒く防ぐことは出来なさそうです。
[参考]
特定外来生物の解説:コカミアリ [外来生物法] (env.go.jp)
コカミアリでどのような害がでるの?
人間が刺されても命に関わるほどの毒では無いですが、非常に激しい痛みがあります。
またアレルギー反応が起きる場合もあり、その場合はアナフィラキシーショックなどの重篤な状態になる可能性もあります。
コカミアリが生息している地域で確認されている被害は次の通りです。
コカミアリの生態系への被害
コカミアリは、他の在来の無脊椎動物に対して捕食活動を行うことで、直接的な影響を及ぼし、深刻な問題を引き起こしています。この影響の中には、在来のアリ類が駆逐されるケースも含まれます。また、ニューカレドニアでは、コカミアリが爬虫類の個体数を減少させる事例も報告されています。
コカミアリによる人間の生命や身体への被害
コカミアリに刺されると、非常に激しい痛みを感じることがあります。このため、農作業などで被害を受ける地域も存在します。
コカミアリの侵入が見つかったのはどこ?
今回有毒のコカミアリの侵入が見つかったのは岡山県です。
コカミアリが見つかったのは岡山県内の港湾のコンテナヤード。海外から届き、国内を経由し再び海外に出る予定の貨物コンテナに付着していた。
詳しい場所はわかりませんが、Google Mapsで見ると岡山県でコンテナがたくさん並んでいる場所はここでしょうか?
まとめ
特定外来生物のコカミアリが国内に初侵入が確認されました。
体長1~2mmという小さいアリですので目視でコンテナに付着していることを確認するのは至難の業です。
殺虫剤が効くということなので、早期に散布すれば駆除ができるかもしれません。
現在のところコンテナなどに付着して国内に侵入しているので港湾部以外は心配は無いと思いますが、水際対策が重要ですね。
有毒のアリということでヒアリが以前話題になりましたが、コカミアリに刺された場合も非常に激しい痛みが起こるようです。水疱が出来ることも多く、場合によっては毒に対しアレルギー反応も起きることが有るようです。
他の虫に無いほどの激しい痛みが有るようですので、虫に噛まれた、もしくは刺されて激しく痛い場合はすぐに医療機関で診察を受けると良いです。
なんとか水際で駆除できることを願っています。
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