南アフリカで見つかった新型コロナウイルスの新しい変異株オミクロン株とはどんなウイルスなんでしょうか?
ちなみに今回オミクロンと名付けられましたが、コロナウイルスはもともと変異をしやすいウイルスであり、これまでも数え切れないほどの微小な変異をした株が見つかっています。
その中でも特に広がりが速いものや重症化しやすいものに特別に名前がつけられ分けられてきました。
今回のオミクロン株もその一つであり、警戒すべき変異株ということでWHOも警鐘を鳴らしています。
オミクロン株に感染したらどのような症状が出るのでしょうか?
オミクロン株はどのような症状が出る?
11月26日に南アフリカで報告された変異株に対し、WHOはこれをオミクロン株として「懸念される変異株(Variant of Concern)」に位置づけました。
まだ発見されたばかりでありますが欧米でも入国者の内で少人数ながらオミクロン株に感染疑いの人が見つかっています。
詳しい症状についてはこれから調査が進むでしょう。
現時点で南アフリカの医師からの報告では、オミクロン株に感染している人は軽い症状で済んでいるということです。
そこまで焦る状況ではなさそうですね。
油断はできませんが。
オミクロン株の感染者を最初に診察した南アフリカ医師会のアンジェリーク・クッツェー会長が、BBCのアンドリュー・マー司会者とのインタビューに応じた。
クッツェー氏は、これまでに診察した30代などの患者はいずれも「極めて症状が軽い」と語った。
引用:https://www.bbc.com/japanese/video-59455930
クッツェー会長とのインタビュー動画がありましたのでリンクを上げておきますね。
動画内で語られていた症状をまとめますと、
30代男性
- 強い倦怠感が2日続いて体の痛みや頭痛が少しある
- 喉がイガイガする
- 咳はない
- 臭いや味覚の異常はない
- 同居家族も全員陽性だが軽症
他にも患者が来院しましたがPCR検査陽性であり、症状としては軽症。
クッツェー医師は南アフリカの中心部(新型コロナ感染者も多い)で診療をしているが、その後もコロナ感染者が多数来院しているが患者の症状は非常に軽く入院した人はいなかったと言うのです。
これが今後世界各地で発見されているオミクロン株感染者も同じ経過をたどって軽症で済めば幸いですね。
感染力が強い?
オミクロン株は感染力が強いということで話題になっています。
斜向いの部屋にいたカナダ人が15秒マスク無しで扉を開けただけで感染した!というニュースも出ています。
本当に感染しているのでしょうか?
というのは御存知の通り【感染】の定義が報道では曖昧だからです。
感染を確認する方法で使われるのがPCR検査です。
ご存知の通り医学的な感染を判断するのにはPCR検査だけでは不十分です。
PCR検査は綿棒で喉の奥をこすり取るか、唾液を採取して検査します。
その検体内にウイルスのかけらでもあれば【陽性】と判断されます。
検査された人の体内(細胞内)に侵入して増殖しているかどうかは判定できません。
そこで医学的に感染している患者が咳などでウイルスを空気中に散布します。
その空気を偶然吸ってしまった方が直後にPCR検査をすれば陽性になる可能性が高いです。
ウイルスが粘膜に付着しているからですね。
ただしこの人が今後発症(発熱や咳、くしゃみなどの症状が出る)するかどうかはわかりません。
吸い込んだウイルス量が少なくて、体内に侵入できない場合もありますし、この人の免疫が正常に働いて症状が出る前にウイルスを駆逐するかもしれません。
現実にPCR検査で陽性になった方の8〜9割の人は無症状か軽症です。
陽性だが無症状で終わる人は、上記のようにそもそもウイルス感染を起こしていない方ですね。
ですから、今回の報道では、症状が出ていない人をPCR検査で調べているだけですので【陽性者】という表現をするのが正しいのですが・・・以前からこの指摘はされているのですがどうしても日本のメディアはなおりませんね・・・。
ただ、感染力が強いのは本当かもしれません。
南アフリカの傾向を見ると感染力が強い!?
南アフリカでは、デルタ株を追いやってオミクロン株が隆盛となっている可能性が指摘されています。
新型コロナウイルスの新しい変異株である「オミクロン株」は2021年11月11日にボツワナで採取された検体から初めて検出されました。
その後、南アフリカで11月14日以降に採取されたサンプルからも検出されています。
南アフリカの中でも特にハウテン州という地域で多くの症例が見つかっており、11月12日から20日までの間に検査された77例全てがこのオミクロン株による感染者であることが分かりました。
ハウテン州では、特に学校や若者の間で感染者が急増していましたが、現在検査されている検体の半数以上がオミクロン株であることから、南アフリカの保健省はすでにハウテン州ではこのオミクロン株が主流になっていると推定しています。
この地域はこれまではデルタ株が広がっていた地域であり、デルタ株から置き換わって広がっていることから、オミクロン株はデルタ株よりも感染力が強い可能性が指摘されています。
引用:https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20211127-00269968
ここでいう感染力が強いというのは、デルタ株の勢力図を塗り替えているという意味での感染力が強いということです。
複数種類の変異株がある中で主流となるためには感染力が重要です。
ただ南アフリカで新型コロナ自体の感染も広がっているのも事実です。
左側のグラフが1日あたりの新規感染者数ですが直近でぐいっと急上昇しています。
これがオミクロン株によるものかどうかは現段階ではわかりませんが、今後の動向を注視していきたいですね。
欧米各国でも入国者のオミクロン株保持者が見つかっています。
感染力が強くあまり重症化しない株だとしたら市中に広がるのも早い可能性が高いです。
つまりは感染者自身が症状が出ないのでオミクロン株に感染している自覚がないまま出歩くので周囲にウイルスをばらまいてしまうからですね。
(それでも重症化しにくいタイプであれば、感染してもただの風邪という症状しか出ませんので驚異とはなりませんが。そうであることを願います。)
まとめ
新型コロナウイルスのオミクロン株症状は、現在のところ確認できている範囲では、
- 強い倦怠感
- 体の痛み
- 筋肉痛
- 頭痛
- 喉がイガイガする
- 咳が少ない
- 嗅覚・味覚障害はない
と全体的に軽症であるようです。
ただウイルス感染症は地域によってこれまでに獲得してきた免疫や人種による抵抗力が違いますので一概にこうとは言えません。
油断はできませんが、過剰に恐れる必要もないので、今後の情報に中止していきたいですね。
願わくば、「感染力は強いが軽症で終わる」変異株であることです!
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