シナモンとニッキは、どちらも甘い香りが特徴的な香辛料ですが、実は全く別の植物から作られています。また、味や風味にもそれぞれ個性があります。この記事では、シナモンとニッキの違いや特徴、おすすめの使い方を紹介します。
シナモンとニッキの違い
1. 原料となる植物
シナモンとニッキは、同じクスノキ科に属する植物から作られていますが、品種や部位が異なります。
まず、シナモンとニッキの原料となる植物は異なります。シナモンはクスノキ科の常緑樹であるシナモン属の植物から作られます。主にセイロン産のシナモン(セイロンシナモン)と中国産やインドネシア産のシナニッケイ(カシア)があります。一方、ニッキはウコギ科の常緑低木であるニッキ属の植物から作られます。
次に、使われる部分も違います。
シナモンは幹や枝の樹皮を乾燥させて細く巻いたものや粉末にしたものを使います。
ニッキは根っこや根茎を乾燥させて粉末にしたものを使います。
2. 成分と風味
シナモンとニッキは、成分や風味にも決定的な違いがあります。
- シナモン:セイロン産のシナモンにはオイゲノールという成分が含まれており、これが独特な甘く芳醇な香りやマイルドな風味を生み出しています。カシアにはオイゲノールは含まれておらず、代わりにクマリンという成分が多く含まれています。クマリンは苦みや渋みを持ち、大量摂取すると健康被害を及ぼす可能性があります。
- ニッキ:オイゲノールやクマリンは含まれておらず、代わりにリナロールやピペリトールという成分が多く含まれています。これらの成分は爽やかでスパイシーな香りや辛味を持ちます。
シナモンとニッキの使い分け方
シナモンとニッキは、用途や相性にもそれぞれ特徴があります。
- シナモン:甘い香りやマイルドな風味から、主にデザートや菓子類に使われます。例えば、アップルパイやチュロス、コーヒーや紅茶などによく合います
- ニッキ:辛味やスパイシーな香りから、主に和菓子や漢方に使われます1 。例えば、八つ橋や餡子、生姜湯や桂枝湯などによく合います。また、甘味のある食材と合わせるとバランスが良くなります
シナモンは甘くてフルーティーな香りで、パンや焼き菓子、カレーなどによく合います。
ニッキは辛くて苦みがあり、和菓子やお餅、お茶などによく合います。
シナモンには血糖値を下げる効果や抗菌作用がありますが、ニッキには胃腸の働きを良くする効果や冷え性改善効果がありますね。
シナモンとニッキは、それぞれの特徴を生かして使い分けると良いでしょう。また、両方を一緒に使うこともできますが、ニッキの量は少なめにするとバランスが取れます。
簡単レシピ
最近話題なのははちみつにシナモンを足すと健康効果がすごいということですね。
シナモンは紅茶に入れたり、パンケーキにふりかけたり、それこそカレーに追加しても美味しいですよね。
家でも簡単にできるレシピを紹介します。
米粉とおからパウダーで作る焼きドーナッツ
米粉を使うことでグルテンフリーですし、おからパウダーで食物繊維もバッチリ追加されています。
そして何より油で揚げないのが良いですよね。
食べ過ぎ注意ですが、少しは安心して食べられるドーナッツになると思います。
米粉を小麦粉にしても作れますよ。
材料:
- 米粉 150g
- おからパウダー 50g
- ベーキングパウダー 小さじ2
- 砂糖 大さじ3
- 塩 小さじ1/4
- 卵 1個
- 牛乳 150ml
- サラダ油 大さじ1
- シナモンパウダー 適量
作り方:
1.オーブンを180℃に予熱します。
2.ボウルに米粉、おからパウダー、ベーキングパウダー、砂糖、塩を入れてよく混ぜ合わせます。
3.別のボウルに卵、牛乳、サラダ油を入れてよく混ぜ合わせます。
4.卵液を1に加えて、よく混ぜ合わせます。
5.ドーナツ型に生地を入れ、オーブンで15〜20分程度焼きます。
6.焼き上がったドーナツにシナモンパウダーをかけて完成です。
※オーブンの性能によって焼き時間が異なる場合がありますので、焼き加減には注意してください。
ニッキ寒天
ニッキというと八ツ橋が思い浮かびますね。和菓子に良く使われるイメージがあります。
あまり自分で「ニッキ」自体を購入することは無いですが、ニッキを使ったレシピもご紹介しますね。
シナモンでも代用できると思います。
材料:
- 水 400ml
- ニッキ 10g
- 寒天 5g
- 砂糖 大さじ2
- レモン汁 小さじ1
作り方:
- 鍋に水とニッキを入れ、中火で加熱します。
- 沸騰したら火を弱め、5分ほど煮出します。
- 煮出したニッキを漉して、鍋に戻します。
- 寒天を加えて、中火でかき混ぜながら煮溶かします。
- 砂糖を加え、さらにかき混ぜます。
- 最後にレモン汁を加えて、かき混ぜます。
- 型に流し入れて、冷蔵庫で冷やし固めます。
- 固まったら、型から外して完成です。
まとめ
シナモンとニッキは香りが似ていることから同じもの、もしくは同じ種類のものと思われがちです。
ですが意外と違いがあることがわかりました。
【シナモンとニッキの違い】
原材料:
- シナモンはシナモンモミの樹皮を乾燥させたもの
- ニッキはニッキ属の植物の根皮を乾燥させたもの
風味:
- シナモンはスパイシーで甘い
- ニッキはシナモンに比べると温かみがあり、すっきりとした風味
色:
- シナモンは茶色っぽい
- ニッキは白っぽい
【使い分け方】
- シナモン:
スイーツによく使われる香辛料で、アップルパイやシナモンロール、ホットアップルサイダーなどに使われる。また、コーヒーや紅茶に加えることもできる。 - ニッキ:
主に和菓子や日本料理に使われる香辛料で、きんつばや栗きんとん、薄茶のお菓子に使われる。また、鍋や煮物にも使われることがある。
どちらも香り高い香辛料ですので適材適所で使用していきたいですね。
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